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映画喫茶 Bande à part バンドアパート

映画家になるまでの記録。映画、読書、喫茶店。

GWに都内の名画座で観られる名作映画 まとめ

GWはどうお過ごしでしょうか。

最新の映画もいいですけど名画座で上映される映画もかなりいい作品を扱っているようなので、今日はそれを名画座ごとに紹介してみようと思います。

 

動画配信サイトなどが普及した今では、名画座に通う人は中々いないかもしれません。

それでも映画館で観たい映画や上映を見逃してしまったものもたくさんあるし、やっぱり劇場で観る映画体験は素晴らしいものですので、チェックしてみてはいかがでしょう。

 

手持無沙汰な連休を過ごすかもしれないのなら、是非映画のあるお休みを過ごしてください。

 

僕のおすすめは早稲田松竹かな。

去年上映された比較的新しい作品を扱っています。

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早稲田松竹

早稲田松竹は二本立ての名画座です。

一般の方でも1300円、学生なら1100円という超良心的な名画座。

かなり良作を扱っていて、上映を過ぎてしまったものをこちらで扱っていたりしますので僕自身もとても重宝しています。

HPはこちら→上映スケジュール | 早稲田松竹

 

4月29日~5月5日(金)

聖の青春

湯を沸かすほどの熱い愛

5月6日~5月11日(金)

イージー・ライダー

地獄の黙示録

 

 

新・文芸座

こちらは池袋から徒歩3分という好立地。

こちらも特集よく組まれていてとてもいい作品を扱っており、2本立てでそして料金もリーズナブルです。

そしてGW中は【魅惑のシネマクラシックス ワーナーブラザーズシネマフェスティバル】という特集が組まれていて、日毎に異なりますがかなりの名作をそろえているようです。

60-70年代の映画をそろえていて流石、挑戦的ですね(笑)

オールナイト上映などもやっているそうですね。

HPはこちら→感動はスクリーンから – 低料金2本立ての名画座 | 新文芸坐

 

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(公式サイトより)

3(水・祝)

エデンの東
理由なき反抗

4(木・祝)

暗くなるまで待って
ダイヤルMを廻せ!

5(金)

タワーリング・インフェルノ

6日(土)

ダーティハリー
ブリット

7(日)

ワイルドバンチ<ディレクターズ・カット>

リオ・ブラボー

 

ユジク阿佐ヶ谷

お次はユジク阿佐ヶ谷です。

ここの落ち着いた雰囲気が好きで、僕もよく利用します。

こちらは上ふたつのものと異なり、一本だてですが、なんとも上質な時間が流れる空間です。

HP→阿佐ヶ谷のもうひとつのミニシアター

 

GWは【スキャンダラス!韓国映画特集

で、最近劇場で上映されたばかりの熱い作品!最高ですね。

 

ロビーはこんな感じ(公式サイトより)

 

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5月3(水)~5月5(金)

恐怖分子

ユーリー・ノルシュティン特集(6作品)

哭声/コクソン

5月6日(土)・7日(日)

光陰的故事

恐怖分子

ユーリー・ノルシュティン特集(6作品)

哭声/コクソン

お嬢さん

アシュラ

 

 

シネマヴェーラ渋谷

最後はこちら。

かなり映画好きな方向けの名画座ですね。

古い映画をたくさん扱っています。

しかしながら驚く点はなんといっても利用料金。

学生であれば二本立てでも1000円しません

すごすぎ。

HP→シネマヴェーラ渋谷

05月3日(水)

『小間使』(96分)
『生きるべきか死ぬべきか』(99分)

05月4日(木)

ウィンダミア夫人の扇』(89分)
ニノチカ』(110分)

05月5日(金)

『街角 桃色の店』(99分)
『極楽特急』(82分)

05月6日(土)

『生活の設計』(90分)
『寵姫ズムルン』(103分

05月7日(日)

『ロイヤル・スキャンダル』(94分)
『天使』(91分)
 
 
さて、こんな感じで4つほど名画座を紹介してみました。
僕もどこかしらの名画座には出没してみるつもりです。
デートでも友人同士でも一人でも、どうでしょう。
僕は名画座にフラーっと立ち寄ってなんとなく観終わった後、足が宙につかないような気持で古い喫茶店でぼーっとするのが好きです。
 
それではこれで。

有名曲・隠れた名曲を主題歌として扱った邦画 おすすめ5選

 

以前、有名な曲を扱った洋画を取り上げたこんな記事を書きました。

 

www.worksmovie.com

 

今回はそれの邦画版みたいなものです。

有名な曲から隠れた名曲まで、それらを主題歌として扱った名作映画を僕の独断と偏見で選んでみました。

参考になったら嬉しいです。

 

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スワロウテイル

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(C)1996 SWALLOWTAIL PRODUCTION COMMITTEE

 

これはとても有名かな。

CHARAが主演を務め、劇中でも実際にバンド演奏シーンで彼女が歌う幾つかの曲を扱っています。

そして主題歌は『Swallowtail Butterfly あいのうた』で、クレジットは劇中で架空のバンドYEN TOWN BANDです。

概要

メガホンを取ったのは『リリィ・シュシュのすべて』の岩井俊二監督。

彼が織りなす独特の世界観を余すことなく注ぎ込んだのがこの『スワロウテイル』で、映画ファンからは根強い人気があります。

主題歌の『Swallowtail Butterfly あいのうた』を歌うのはCHARAで、作曲には小林武史も加わっています。

あらすじ

紙幣偽造のデータを手に入れた娼婦のグリコは、中国系移民のヒョウたちとニセ札造りを始めた。ライブハウスを買い取り、歌手として有名になっていく彼女だったが……。近未来の架空の都市“円都(イェンタウン)”を舞台に、若者たちの姿を描いた作品。

主題歌

www.youtube.com

 

ジョゼと虎と魚たち

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これ、僕がとっても好きな作品なんです。

主演は妻夫木聡、ヒロイン役を池脇千鶴

雰囲気もなんだか邦画らしくて好き。

主題歌として最後に流れるのがくるりの『ハイウェイ』。

概要

原作は、芥川賞作家・田辺聖子の同名短編小説。

金髪の草原』の犬童一心監督がメガホンを取った。

妻夫木聡池脇千鶴が織りなす切ないラブ・ストーリー

あらすじ

キッカケで恋に落ちたごく普通の大学生と不思議な雰囲気を持つ脚の不自由な少女、そんな2人の恋の行方を大阪を舞台にキメ細やかな心理描写と美しい映像で綴る。

大学生の恒夫は、ある朝、近所で噂になっている老婆が押す乳母車と遭遇する。そして、彼が乳母車の中を覗くと、そこには包丁を持った少女がいた。

脚が不自由でまったく歩けない彼女は、老婆に乳母車を押してもらい好きな散歩をしていたのだ。これがきっかけで彼女と交流を始めた恒夫は、彼女の不思議な魅力に次第に惹かれていくのだが…。

 主題歌

www.youtube.com

 

愛のむきだし

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(C)「愛のむきだし」フィルムパートナーズ

 

冷たい熱帯魚』『地獄でなぜ悪い』の園子温監督作。

主題歌はゆらゆら帝国の『空洞です』。

独特の雰囲気にとっても合っていて、主題歌自体も好きなんですけど。

本当に好きな作品で、何から何まで最高の作品です。

概要

園子音監督作。

AAA(トリプル・エー)のボーカル西島隆弘、ヒロインを満島ひかりが演じます。

 

敬虔なクリスチャン一家で育ったユウは、神父の父に毎日懺悔を強要される日々を送っている。“罪作り”のため女性の股間ばかり狙う盗撮を繰り返すユウは、ある日、ヨーコという少女に出会い一目で恋に落ちるが……。

主題歌

www.youtube.com

 

月とキャベツ

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月とキャベツ』です。

山崎まさよし主演を務めているんですよね。

一時は有名だったが突然スランプに陥ってしまったミュージシャンの役を演じています。

知っている人は知ってるでしょうが、そこまで有名な作品という印象はありません。

さて、主題歌は『one more time, one more chance』。

また、この曲がテーマソングみたいなところがあって、本人がエンディングではピアノ弾き語りします(重要)!!

ヒロインの女の子がそれに合わせて踊るシーンがとても幻想的で、これ必見です。

あらすじ

個性派ミュージシャン山崎まさよしが映画初主演した異色ラブ・ストーリー

 

バンドを解散し独立したとたん、歌が作れなくなったミュージシャン花火。いまは、人里離れた田舎でキャベツ栽培に明け暮れていた。そんなある日、彼のもとにヒバナと名乗る少女が現われ、そのまま居ついてしまうのだった。ダンサー志望のヒバナは花火の曲で踊りたいと言い出す。はじめは戸惑うばかりの花火だったが、いつしか天真爛漫なヒバナの存在に刺激を受け、ついに曲作りを再開するのだった

 主題歌

www.youtube.com

 

青い鳥

ご存知の方はそれほど多くないと思います。

『青い鳥』は、重松清の同名短編小説を映画化したもの。

主演を務めるのは阿部寛です。

彼が演じるのは、吃音症という言葉を発するとき言葉がつっかえてしまって流ちょうに話すことがでいない症状をずっと抱えた教師役。

原作もくっそ泣けるんだよなぁ。

 

学校の道徳の授業で観たことある、という方も中にはいるかもしれません。

また、主題歌を歌っているのはまきちゃんぐという女性シンガー。

あまり有名じゃないかもしれませんが主題歌の『鋼の心』がめちゃめちゃいい!

是非聴いてみてください。

 

あらすじ

いじめによる自殺未遂が起きた中学校で、傍観者となったクラスメートたちときつ音の教師との交流を丁寧につづる。

ハンディキャップを持ちながらも生徒たちと真摯に接する教師を阿部寛が熱演。一度だけいじめにかかわったことに苦しむ繊細な少年には、『テニスの王子様』の本郷奏多が挑戦した。

複雑さをはらむいじめ問題に真正面から向かう教師の言葉を通して、生と死や救いなど多くのことを問いかける。

 

主題歌

www.youtube.com

 

 

 

動画配信サイトについて

最後に、これらを視聴できる配信サービスをちょろーっと紹介しますね。

 

U-NEXTという動画配信サイトで『愛のむきだし』『スワロウテイル』が今なら30日間無料で視聴することができるそうです。よかったら検討してみてはいかがでしょうか。(いちおう観られるかどうかの確認はした方がいいです)

・またdTVでは『月とキャベツ』『ジョゼと虎と魚たち』を、こちらも無料期間中にみることができるそうなので、よかったら試してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

それでは、本日はここらへんで。

無気力を吹っ飛ばせ!五月病の症状・原因と今からできる4つの対策

 

4月は別れと出会いの季節ですね。

5月になるとそんな少しづつ変わっていく環境にも慣れてくるころかもしれません。

 

ただ、そんな空気にいつまでも適応できず、春の暖かい気候とのギャップを覚え、逆に気分が落ち込んでしまう…それが五月病ですね。

特に一気に新しい環境に身を置くようになる人は、5月病の様な軽い鬱症状を発症する傾向が高いそう。

例えば大学新入生新入社員です。

実際に僕も大学入学当初は、燃え尽き症候群と相まって完全に5月病に陥って何も手を付けることができなくなっていました。

 

4月も終わりそうなので、今からできる5月病対策記事にしてみました。

 

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五月病とは何か?をまず知ろう

まずは五月病とは何か、そして原因はなにかを簡単に書いてみたいと思います。

五月病とはなにか?

五月病という病気は医学的にはないようで、

五月病とは一般的に、五月に入って”一定数の人々が倦怠感や虚脱感を抱いてしまう不安定な鬱状態 を指すようです。

 

新しい環境に適応できず,焦り,ストレスを感じ,気持ちが落ち込むうつ状態。医学用語ではなく通称。もとは大学新入生が5月の連休明け頃から急激に無気力,無関心になることから名づけられたが,時期は5月にかぎらず,また中学・高校生や新入社員にもみられる。

 

具体的な症状

 

・無気力で何も手につかない

・朝が弱くなる

・疲れやすくなる

・何となくだるい

 

具体的にあげると、こんな感じみたいです。

一過性のものかと思いきや、そこから立ち直れない人もいるみたい。

そうなると症状も悪化し、以下のように身体にも直接影響を及ぼすようになります。

 

・食欲不振

・下痢・吐き気

自律神経失調症

 

これ、甘く見てると痛い目みそうですね。結構深刻な症状です。

原因は?

調べてみたところ、五月病の原因は以下のようです。

 

・受験など極度の緊張からの解放,新しい学校・職場の実態に対する失望,新たな目標の喪失

・新環境に対する不適応病状

・周りの明るく暖かい環境と自己の内情とのギャップ

 

つまり、新しい環境への期待と不安、そして燃え尽き症候群やストレスとも換言できそう。

 

今からできる5月病対策

さて、対策です。

新入生や新社会人には今のうちから5月病対策をぜひ勧めたいですね。

 

対策

 

・生活リズムを整える

夜更かしをしない、朝はしっかり起きて朝食をとる。

寝る前はスマホをいじらない。

自律神経や副交感神経を正常に保つという意味で非常に重要になると思います。

特に生活環境が大きく崩れやすくなるのが生活リズムですから、ここはしっかり気を付けたい。

そして質のいい睡眠を!

 

・食生活に気を遣う

セロトニン】という言葉を聴いたことありますでしょうか。

神経伝達物質のことで、精神を安定させる作用を持っている物質で、セロトニンが不足すると気分が落ち込んだり、不眠になるなどして、うつ病等につながるともいわれています。

食生活には絶対気を遣うべき。

特に朝食は生活リズムを整えるという意味でも非常に重要!

 

食べたいものを食べるというストレス発散も大いにありだと思いますが、食生活は蔑ろになりがちですので。

 

以下がセロトニン分泌に必要な栄養素だそうです。

 

トリプトファン:肉や魚、大豆製品、牛乳などの良質なタンパク質をたくさん含むもの
■ビタミンB6:青魚、鶏肉、バナナ、さつまいも、パプリカ、かぼちゃ、アボカド、ナッツなど
■炭水化物:ご飯やパンなどの炭水化物をたくさん含むもの。特に玄米ご飯や雑穀入りご飯、ライ麦パン、全粒粉パンが◎

 

(参考:五月病対策は食事から! 憂うつをスッキリ解消できる食事のコツ | 20代の”はたらき”データベース『キャリアコンパス』- by DODA –

 

・ストレスをためない

簡単に言うけどこれが一番難しいかもしれません。

でも非常に重要なことで、不満や疲労が五月病の直接の原因です。

自分なりのストレス発散方法見つけられるといいですね。

まずは、コミュニケーションをとること、会いたい人と会うこと。

だと思います。

 

・仕事や学業にやりがいを見出す、やりたいことを見つける

これも非常に大事だと思います。

つまらない仕事をするのは大変ですよね。

仕事にやりがいを見いだせないというのであれば、その仕事によって得られる対価に重きを置きましょう。得た給与で旅をするとか、そういう楽しみを見いだせれば少しは仕事も苦ではなくなるかもしれません。

 

 

 

 

そして大学生は、早めにやりたいこと・好きなことをみつけること!

僕も一年目本当につらかったので、新入生の方は色々内向的にならず外に目を向けてみてほしい。

 

 

さて、以上が対策と原因でした。

少しでも役立てばいいと思います。

読んでくれてありがとうございました。

アカデミー賞作品賞を分けた理由は?『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』を比較してみる。

今年のアカデミー賞における作品賞発表は二つの意味で世間を賑わせた。

 

最優秀賞と謳われる作品賞 “最有力” とその名を轟かし、過去最多部門のノミネートを果たしたラ・ラ・ランド』。

またアカデミー賞以外の祭典でも数多くの賞を受賞し脚光を浴びた。

しかしながら授賞式では「作品賞受賞!」とまで言われたのにも関わらず、それは取り違いで、本当の受賞作は『ムーンライト』でした、というなんという肩透かしを喰ったことだろうか。

 

対する『ムーンライト』はどんな作品か?

これの内容を知らない人もたくさんいると思う。

『ムーンライト』を作品賞候補の二番手として予想した評論家などは数多くあっただろうが、ほとんどは『ラ・ラ・ランド』を一番手として予想。

これはある意味では逆転劇だ。

 

なぜこのような取り違いが起きたのかはともかく、作品賞受賞を分けた要因は何か、この二作品を比較しつつ言及していこうと思う。 

 

 

 

『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』の相違点

 

  『ムーンライト』 ラ・ラ・ランド
ジャンル ヒューマンドラマ ミュージカル、ラブロマンス
監督 バリー・ジェンキンス デイミアン・チャゼル
主要キャスト トレバンテ・ローズ、マハシャーラ・アリ etc ライアン・ゴズリングエマ・ストーン etc
テーマ 薬物、貧困、同性愛、いじめ、黒人社会 恋愛、夢、音楽
雰囲気 シリアス、淡い色使い カラフル且つ切ないタッチ
製作費 約150万ドル 約3000万ドル
興行収入 約2500万ドル

約3億7000万ドル

 

上の表でもわかる通り、ふたつは全く対照的な作品だ。

 

ラ・ラ・ランドは、その華やかで煌びやかな世界を夢と希望を筆先に描いたうえで、最終プロットの切なさは見事なものであった。

王道映画らしい映画で、たくさんの観客を魅了しつつも、最も業界人から注目や評価を得た作品だと言ってもいいだろう。

また、本作を手掛けたのはデイミアン・チャゼル監督で、『セッション』では一躍脚光を浴び最年少でアカデミー賞監督賞を受賞し、今最も勢いのある若手映画監督のうちの一人だ。

 

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(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. 

 

対して『ムーンライト』は重いテーマを携え、一貫した繊細な雰囲気で実直に主人公の内面と向き合った作品だ。カメラワークも独特で、映像に酔ってしまったという人も数多くいるみたい。

また本作を手掛けたバリー・ジェンキンス監督にとって、本作が長編としての2作目で、主演俳優もほとんど無名ということによって公開当初はほとんどノーマークだったらしい。

ここも対照的だと言える所以で、『それでも夜は明ける』同様にブラッド・ピットが製作総指揮を務めた点以外は、確かに特別に目を惹く点は少ないかもしれない。

 

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(C)2016 A24 Distribution, LLC

 

俳優の起用

ここで二作品に登場した有名キャストを比較したい。

ラ・ラ・ランド

ライアン・ゴズリング

『君に読む物語』『ドライヴ』など、数多くの代表作あり。

また第79回アカデミー賞では主演男優賞のノミネートを果たしている。

エマ・ストーン    

 代表作は『アメイジングスパイダーマン』『バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。

テレビドラマで活躍しつつ、またゴールデングローブ主演女優賞ノミネート、『バードマン』ではアカデミー賞含む数多くの祭典で助演女優賞でのノミネートを果たしている。

また本作でアカデミー賞主演女優賞を獲得。

 

J・K・シモンズ

『セッション』でアカデミー賞助演男優賞を獲得。

・他にも有名なミュージシャンや数多くの美女!が出演

 

『ムーンライト』

主要キャストはほとんど無名の俳優。

脇を固めた二人の俳優をピックアップしたい。

 

ナオミ・ハリス

『28日後…』『007』『パイレッツ・オブ・カリビアン』等の有名作に出演。

マハーシャラ・アリ

目を惹くような代表作は正直多くないが、本作でアカデミー賞助演男優賞を獲得。

 

キャストの起用という点では本当に対照的な作品だなぁ。とまとめてみて再認識。

それに前者の場合、その外見だけで人々を魅了するような華やかなキャストで溢れていた。

この逆転劇は本当に革新的だと改めて思ってしまう。

 

作風の違い

次に、作風というか雰囲気や内容の違いについて。

ラ・ラ・ランド 』

・どちらかというとポピュラーで大衆にウケそうなエンターテイメント性が強い

・けれども映画愛に満ちて様々なミュージカルのオマージュを含む芸術的な側面も

・華やかで煌びやか、夢を追う二人のラブストーリー

・脚本から言ってもミュージカルらしい内容

 →そのため整合性等に言及するのはナンセンスか?煮え切らない部分も多い

(参考:菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね | Real Sound|リアルサウンド 映画部

・ジャズをテーマに携えながらキャッチーな音楽

・演出も手が込んでおり、ファンタジックでカラフル。表現が直接的。

『ムーンライト』

・数多くの社会問題を提示

・エンターテイメントな側面は弱い

・一貫して重い雰囲気、淡い色使い

・セリフなども少なく、一貫したキャラクター性を丁寧に扱っている印象。作家性が強い?

・同性愛を暗示するが、セリフによる直接的な表現は終盤のみ。

・繊細でピントの焦点移動が激しい独特なカメラワーク→主人公シャロンの内面への描写

 

アカデミー賞受賞結果

ラ・ラ・ランド

・監督賞

・主演女優賞

美術賞

・撮影賞

・作曲賞

・主題歌賞

『ムーンライト』

・作品賞

助演男優賞

・脚色賞

 

以上から何となく導き出せるのが、ラ・ラ・ランドは演出や技巧面が大きく評価され、対するムーンライトは内容が評価されたのではないか?ということ。

 

白か黒か?

さて、アカデミー賞は政治事情がつきものだ、というのは耳にタコができるほど聞く話かもしれない。

ドナルド・トランプ政権の誕生が世間を賑わせ、それが大きく受賞作の選定を大きく左右したのではないかという事が囁かれている。

また、白人だらけのアカデミー賞、という揶揄もその話と繋がってくるのだが。

 

その状況を打破するために『ムーンライト』が選ばれた、という話も耳にする。

けれども作品賞における、黒人映画として黒人のキャスト、スタッフを起用したから『ムーンライト』が受賞したんだ、という論理はもはや暴論だし、作品に携わった人にあまりに失礼ではないか?

ただしそのような政治的な見方によって、そんな白人のためのアカデミー賞という揶揄を打破する意識によって『ムーンライト』が作品賞受賞したのだとすれば、それがどれだけ革新的なことなのかがわかる。

 

逆を言えば、『ムーンライト』が今までの潮流を覆すほどの傑作だという結論も導くことができるのでは?

 

 まとめ

さて、まとめとか結論です。

 

ふたつの対照的な作品を時代の変化を争点に結論を導き出すのは簡単だし、作品賞を時代が選んだ、というよりは、もう少し作品自体を純粋に評価されていてほしいし、そんな風に作品賞も受賞していたらいいですよね。

でもどっちの作品が優れているか、って本当に難しいです。

レースのようにタイムで甲乙つけられないから誰もが納得いく結果は導くことはできません。

 

それに投票制だしね。

アカデミー賞会員は高齢で保守的な傾向にあり、選出される作品も正統派なドラマが多いとか。

作品賞の受賞規定も『その年で最も優れた映画作品』というおそらくその作品自体の内容を示唆するものです。

政治制とか関係なくてもね。

全くそれらを無視するというわけにもいかないだろうけど。

 

結論として、作品賞を分けた相対的な要因。

・『ムーンライト』はより堅実的で実直に人間と向き合っている

・キャストの知名度や興行収入に関わらず、作品自体の内容や質によって評価された

ということじゃないかな。

 

 

どちらが優れた作品か、というと映画において重要なのは作家性か、エンターテイメント性か、という堂々巡りに陥ってしまいそうなのでここではやめておきたい。

ただしアカデミー賞会員の傾向から『ムーンライト』の方が好みで、その目線からは優れていた、ということではないかな。

 

 

 

僕はミュージカルがそこまで好きではなくて、それよりもあまり派手じゃない淡々と描かれる映画が好きです。

 

だから作品賞を『ムーンライト』が受賞したのは、政治性を一切抜きにしてもうなずけるだろうし、僕がアカデミー賞会員だったらそれに投票すると思う。

 

映画って好みだろうしね…結局は。

 

以上が『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』について、

またアカデミー賞についてのコラムでした。