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映画喫茶 Bande à part バンドアパート

映画家になるまでの記録。映画、読書、喫茶店。

アカデミー賞作品賞を分けた理由は?『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』を比較してみる。

映画 映画-映画で思ったこと。

今年のアカデミー賞における作品賞発表は二つの意味で世間を賑わせた。

 

最優秀賞と謳われる作品賞 “最有力” とその名を轟かし、過去最多部門のノミネートを果たしたラ・ラ・ランド』。

またアカデミー賞以外の祭典でも数多くの賞を受賞し脚光を浴びた。

しかしながら授賞式では「作品賞受賞!」とまで言われたのにも関わらず、それは取り違いで、本当の受賞作は『ムーンライト』でした、というなんという肩透かしを喰ったことだろうか。

 

対する『ムーンライト』はどんな作品か?

これの内容を知らない人もたくさんいると思う。

『ムーンライト』を作品賞候補の二番手として予想した評論家などは数多くあっただろうが、ほとんどは『ラ・ラ・ランド』を一番手として予想。

これはある意味では逆転劇だ。

 

なぜこのような取り違いが起きたのかはともかく、作品賞受賞を分けた要因は何か、この二作品を比較しつつ言及していこうと思う。 

 

 

 

『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』の相違点

 

  『ムーンライト』 ラ・ラ・ランド
ジャンル ヒューマンドラマ ミュージカル、ラブロマンス
監督 バリー・ジェンキンス デイミアン・チャゼル
主要キャスト トレバンテ・ローズ、マハシャーラ・アリ etc ライアン・ゴズリングエマ・ストーン etc
テーマ 薬物、貧困、同性愛、いじめ、黒人社会 恋愛、夢、音楽
雰囲気 シリアス、淡い色使い カラフル且つ切ないタッチ
製作費 約150万ドル 約3000万ドル
興行収入 約2500万ドル

約3億7000万ドル

 

上の表でもわかる通り、ふたつは全く対照的な作品だ。

 

ラ・ラ・ランドは、その華やかで煌びやかな世界を夢と希望を筆先に描いたうえで、最終プロットの切なさは見事なものであった。

王道映画らしい映画で、たくさんの観客を魅了しつつも、最も業界人から注目や評価を得た作品だと言ってもいいだろう。

また、本作を手掛けたのはデイミアン・チャゼル監督で、『セッション』では一躍脚光を浴び最年少でアカデミー賞監督賞を受賞し、今最も勢いのある若手映画監督のうちの一人だ。

 

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(C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. 

 

対して『ムーンライト』は重いテーマを携え、一貫した繊細な雰囲気で実直に主人公の内面と向き合った作品だ。カメラワークも独特で、映像に酔ってしまったという人も数多くいるみたい。

また本作を手掛けたバリー・ジェンキンス監督にとって、本作が長編としての2作目で、主演俳優もほとんど無名ということによって公開当初はほとんどノーマークだったらしい。

ここも対照的だと言える所以で、『それでも夜は明ける』同様にブラッド・ピットが製作総指揮を務めた点以外は、確かに特別に目を惹く点は少ないかもしれない。

 

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(C)2016 A24 Distribution, LLC

 

俳優の起用

ここで二作品に登場した有名キャストを比較したい。

ラ・ラ・ランド

ライアン・ゴズリング

『君に読む物語』『ドライヴ』など、数多くの代表作あり。

また第79回アカデミー賞では主演男優賞のノミネートを果たしている。

エマ・ストーン    

 代表作は『アメイジングスパイダーマン』『バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。

テレビドラマで活躍しつつ、またゴールデングローブ主演女優賞ノミネート、『バードマン』ではアカデミー賞含む数多くの祭典で助演女優賞でのノミネートを果たしている。

また本作でアカデミー賞主演女優賞を獲得。

 

J・K・シモンズ

『セッション』でアカデミー賞助演男優賞を獲得。

・他にも有名なミュージシャンや数多くの美女!が出演

 

『ムーンライト』

主要キャストはほとんど無名の俳優。

脇を固めた二人の俳優をピックアップしたい。

 

ナオミ・ハリス

『28日後…』『007』『パイレッツ・オブ・カリビアン』等の有名作に出演。

マハーシャラ・アリ

目を惹くような代表作は正直多くないが、本作でアカデミー賞助演男優賞を獲得。

 

キャストの起用という点では本当に対照的な作品だなぁ。とまとめてみて再認識。

それに前者の場合、その外見だけで人々を魅了するような華やかなキャストで溢れていた。

この逆転劇は本当に革新的だと改めて思ってしまう。

 

作風の違い

次に、作風というか雰囲気や内容の違いについて。

ラ・ラ・ランド 』

・どちらかというとポピュラーで大衆にウケそうなエンターテイメント性が強い

・けれども映画愛に満ちて様々なミュージカルのオマージュを含む芸術的な側面も

・華やかで煌びやか、夢を追う二人のラブストーリー

・脚本から言ってもミュージカルらしい内容

 →そのため整合性等に言及するのはナンセンスか?煮え切らない部分も多い

(参考:菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね | Real Sound|リアルサウンド 映画部

・ジャズをテーマに携えながらキャッチーな音楽

・演出も手が込んでおり、ファンタジックでカラフル。表現が直接的。

『ムーンライト』

・数多くの社会問題を提示

・エンターテイメントな側面は弱い

・一貫して重い雰囲気、淡い色使い

・セリフなども少なく、一貫したキャラクター性を丁寧に扱っている印象。作家性が強い?

・同性愛を暗示するが、セリフによる直接的な表現は終盤のみ。

・繊細でピントの焦点移動が激しい独特なカメラワーク→主人公シャロンの内面への描写

 

アカデミー賞受賞結果

ラ・ラ・ランド

・監督賞

・主演女優賞

美術賞

・撮影賞

・作曲賞

・主題歌賞

『ムーンライト』

・作品賞

助演男優賞

・脚色賞

 

以上から何となく導き出せるのが、ラ・ラ・ランドは演出や技巧面が大きく評価され、対するムーンライトは内容が評価されたのではないか?ということ。

 

白か黒か?

さて、アカデミー賞は政治事情がつきものだ、というのは耳にタコができるほど聞く話かもしれない。

ドナルド・トランプ政権の誕生が世間を賑わせ、それが大きく受賞作の選定を大きく左右したのではないかという事が囁かれている。

また、白人だらけのアカデミー賞、という揶揄もその話と繋がってくるのだが。

 

その状況を打破するために『ムーンライト』が選ばれた、という話も耳にする。

けれども作品賞における、黒人映画として黒人のキャスト、スタッフを起用したから『ムーンライト』が受賞したんだ、という論理はもはや暴論だし、作品に携わった人にあまりに失礼ではないか?

ただしそのような政治的な見方によって、そんな白人のためのアカデミー賞という揶揄を打破する意識によって『ムーンライト』が作品賞受賞したのだとすれば、それがどれだけ革新的なことなのかがわかる。

 

逆を言えば、『ムーンライト』が今までの潮流を覆すほどの傑作だという結論も導くことができるのでは?

 

 まとめ

さて、まとめとか結論です。

 

ふたつの対照的な作品を時代の変化を争点に結論を導き出すのは簡単だし、作品賞を時代が選んだ、というよりは、もう少し作品自体を純粋に評価されていてほしいし、そんな風に作品賞も受賞していたらいいですよね。

でもどっちの作品が優れているか、って本当に難しいです。

レースのようにタイムで甲乙つけられないから誰もが納得いく結果は導くことはできません。

 

それに投票制だしね。

アカデミー賞会員は高齢で保守的な傾向にあり、選出される作品も正統派なドラマが多いとか。

作品賞の受賞規定も『その年で最も優れた映画作品』というおそらくその作品自体の内容を示唆するものです。

政治制とか関係なくてもね。

全くそれらを無視するというわけにもいかないだろうけど。

 

結論として、作品賞を分けた相対的な要因。

・『ムーンライト』はより堅実的で実直に人間と向き合っている

・キャストの知名度や興行収入に関わらず、作品自体の内容や質によって評価された

ということじゃないかな。

 

 

どちらが優れた作品か、というと映画において重要なのは作家性か、エンターテイメント性か、という堂々巡りに陥ってしまいそうなのでここではやめておきたい。

ただしアカデミー賞会員の傾向から『ムーンライト』の方が好みで、その目線からは優れていた、ということではないかな。

 

 

 

僕はミュージカルがそこまで好きではなくて、それよりもあまり派手じゃない淡々と描かれる映画が好きです。

 

だから作品賞を『ムーンライト』が受賞したのは、政治性を一切抜きにしてもうなずけるだろうし、僕がアカデミー賞会員だったらそれに投票すると思う。

 

映画って好みだろうしね…結局は。

 

以上が『ムーンライト』と『ラ・ラ・ランド』について、

またアカデミー賞についてのコラムでした。

 

なぜ洋画の原題・タイトルはシンプルなのか?理由を考える。

映画-映画で思ったこと。 映画

さっそくですが『アナと雪の女王』の原題をご存じでしょうか?

 

答えは『frozen』です。

 

直訳すると凍った、とか冷蔵の、という意味で、形容詞の中の過去分詞ですよね。

 

『冷蔵の』なんてタイトルの映画があったら、ちょっとした違和感を抱きませんか?

またこんな形容詞だけのタイトルの邦画ってある?

あまりないよね。というかほとんど見ない気がする。

 

原題からは考えられないほど長い邦題をつけられたり大幅な改題が行われることは、映画の世界には多々あることです。

原題と邦題は大体が異なりますね。

邦題だけ知っていても、英語圏の方と映画作品の話を滞ることなく楽しむ、ということはなかなか難しかったりする。

 

言語が違うわけだから、当然作品のタイトルの付け方とかも変わってくるのです。

例えば、上記の『frozen』というタイトルの映画なんかいい例ですね。

 

そこで今回の記事のテーマなのですが。

英語と日本語って、なんとなく “単語” に対するアプローチの仕方が違うんじゃないのか?ということを僕は常々頭の隅に置いていました。

 

今回は以前から気になっていた、そんな言葉の用い方や捉え方について、例によって映画を題材に考えていきたいと思います。

 

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具体的に言葉の用い方といいましたが、主に考えるのは、英語と日本語の単語に対する価値観について。

言語学的な専門記事ではなく、あくまで考え方についてです。

ちょっと面白い試みというか考察ができればなぁと思います。

 

邦画と洋画のタイトル

僕が記事で取り上げたいのは、語感の違いというか言語に対する感覚的な相違。

これが大風呂敷を広げたような前置きならないよう、しっかりとした考察をすすめないと。

 

なんとなく、洋画の原題はシンプルで、邦画のタイトルは長いものが多い、という漠然としたイメージを僕は抱いていました。

さて、それが本当なのかどうか、ちょっと検証してみたいとおもいます。

 

洋画の原題はシンプルだ。

 

まず、洋画におけるタイトルって、とてもシンプルだったり単語のみのものが多いんですよね。

 

たとえば『The ~』とか、すごくシンプルなもの。

The Martian(火星人)』とか、これは邦題が『オデッセイ』ですね。

The Accountant(公認会計士)』とか、これは邦題が『ザ・コンサルタント』です。

他にも挙げれば

Bony and Cryde(ボニーとクライド)』は『俺たちに明日はない

『Moon』は『月に囚われた男』 
the Mummy』は『ハムナプトラ/失われた砂漠の都

fast five(速い5)』は『ワイルド・スピード』です。

フォレスト・ガンプのように、もう人名のみ、なんてこともあるよね。

 

やっぱり、原題凄くシンプル!

タイトルだけじゃなんだかよくわからんし。

 

それでは考察の方に移っていきたい。

その前に、まず大きな注意点があります。

それは、

・洋画は原題のものを考える

というものですね。当たり前と言えば当たり前だけど(笑)

手順として、洋画における原題と邦題と、洋画と邦画のタイトルについて考えていきたいと思います。

洋画における原題と邦題

上記で注意を促しましたが、それについても言及したい。

 

原題と邦題が大きく違う、というのはよくある話。

例えば先の『アナと雪の女王』だってそうです。

先日上映された『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』の原題はDemolitionだし

カールじいさんの空飛ぶ家』は『Up』です。

 

邦題の付け方がひどい!意味不明!なんて言われることもしばしばありますが、まあそれはどうでもいいんです。

だって、今回は言葉のニュアンスの違いを考える記事だし

それに邦題をつける際は必ず恣意的な意図が含まれている。

 

それは洋画版のポスターヴィジュアルが日本版だと大きく変わったりするのと同じだと思います。

www.e-aidem.com

だから今回はそのことについてはノータッチで!
 
邦画のタイトルについて

さて、少しづつ本題に移っていきます。

じゃあ、邦画のタイトルはシンプルじゃないのか?ということ。

作品を挙げだしたらキリがないし、意図的にピックアップすればそれこそいや邦画だってシンプルな作品もたくさんあるよ!ということになりかねないので、

まあそこは公平な検証を進めようとは思いますが……。

 

最近観た邦画を順にあげていくと

 

わたし出すわ』『地獄でなぜ悪い』『ラブ&ピース』

羅生門』『パッチギ!』『愛のむきだし

『ふがいない僕は空をみた』『嫌われ松子の一生

カラスの親指』『リアリズムの宿

『神童』『凶悪』『ミュージアム』

苦役列車』『東京難民』

 

こうやって挙げていくと、確かに洋画よりはタイトルが複雑なイメージです。

あれでも待って。

 

単語一つで終わるものって中々無いね、と思いきや、意外とある。

いやでも、そこまで複雑か?シンプルなものも多くない?

 

パターン化してみる

パターンとしては

【A が Bする】

【A の B】

みたいな構造が多いみたい。

抽象化するとなんだか見えてくるものがある、というのも、

構造からみれば、そこまで複雑ではなくない?という一つの到達点。

 

例えばなんだけど幾つかの作品を直訳すると

愛のむきだし』→『Love Exposure』

カラスの親指』→『Crow's Thumb』

七人の侍』→『Seven Samurais』

こうするとなんだかシンプルに見えるのは気のせいかな。

 

というか、英語で直訳するとシンプルに見える…。

 

洋画の原題は果たして本当にシンプルなのか

結論から言うと、意味だけで考えてみればそこまででもないのでは?

パターン化してみたけど、多分それは表記の問題かもしれない。

ということで僕が見出した結論はこちら。

 

例えば日本語って、カタカナやひらがな、漢字で構成されていて知らないうちに同じ様に認識しているけれど、同時にアルファベットだけ並んでいるものよりも少し複雑だな、と無意識に受け取っているのではないか、ということ。

→アルファベットだけ並んでいるよりも、シンプルには見えづらい。

 

もう一つは、助詞の存在。助詞があると少し複雑に見える。気がする。前置詞よりも。

→助詞はひらがなだし、接続の役割を果たすひらがなが漢字で挟まれていたりするとシンプルにはならない?

 

でねそれとまた別ですが思ったんですけど、

英語圏において “単語” に対するアプローチが日本語圏の人となんとなく異なる理由。

 

英単語ってかっこよくね?(笑)

 

『The Accountant』が、日本語だと『公認会計士』だよ。

『The Martin』が『火星人』だよ。

カタカナにすればまだ何とかだけど、漢字表記って意味が直接的すぎる気がする。

『frozen』もなんとなく、ここまできたらオシャレに見えてしまうし。

 

でも日本語だって美しいよ。

漱石の『こころ』とかさ。

周作の『沈黙』とかさ。

一概には言えないんだよなぁ……。

 

 

僕の中では、まあそんなことないのでは、という結論に至った理由をまとめる。

・シンプルな原題の映画を恣意的に選んでおり、そういったタイトルの映画ばかり英語圏であふれているわけではない。ただしその傾向はあるというのは確か。英単語かっけえ。

・助詞の存在が邦画タイトルを複雑に見せている(単語数を増やしている?)

・カタカナ、ひらがな、漢字の三要素

 

こんなところかな。

僕は英語は単語に対する信頼感が強いのかとか、なんだろう

単語に対する価値観が日本語とは少しズレてるのかな、とは常々思っていたんだ。

いいまとめ方がわからないので、今日はこんなところで。
さようなら。

読んでくれてどうもありがとうございました!

あなたの週末に贈る名作映画 今週観た良作を紹介。その6

映画-今週の映画 映画 映画-オススメ映画紹介

こんばんは、井出崎です。

 

春ですね。

桜が散っていきます、散り際が一番きれいだなんてそんなキザなことは言いません、けれど葉桜がとても好きです。

身体が重くて動きたくなくなりますけどこれは季節のせいではありませんね、週末に映画でも観て一息ついて、来週もがんばりましょう。

 

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今週もいくつかの映画をピックアップして紹介していきたいと思います。

この企画は僕が今週観た映画の中で幾つかの作品を選んで紹介するというもの。

是非、映画のある週末を送っていただければなあと思います。

 

www.worksmovie.com

 

僕が今週観た映画

僕が今週観た映画をドーンと紹介。

何本観たのだろう。

 

今週は8本でした。

 

・チェイサー

『哭声/コクソン』のナ・ホンジン監督作。こりゃすげぇ。というのが第一の感想。

 

・ラブ&ピース

園子温監督作。なんだこれは(笑)

 

地獄でなぜ悪い

これも園子温監督作。完全に『愛のむきだし』の影響で彼の作品を観ています。

 

潜水服は蝶の夢を見る

これ凄くよかった。うん。

 

わたし出すわ

小雪主演作です。不思議な映画。何を出すかって、お金です。最初下ネタかと思った。

 

・の・ようなもの

上の『わたし出すわ』と同じ森田芳光監督作。途中で観るのを止めてしまった…

 

BAD BOYS

ウィル・スミスの出世作らしい。王道のアクションコメディって感じです。

 

娚の一生

これまたゆっくり時間が流れる映画だなぁ。観る人を選ぶぞ。俺は好きです。

 

何か気になる作品がございましたら、コメントでもなんでも詳細な質問等にも応えますのでお気軽にどうぞ。

今週はこの中から…何を選ぼうかな。

 

というわけで今週は『チェイサー』と『潜水服は蝶の夢を見る』で決まり。

 

『チェイサー』

この記事を読んでくれている人の中に、韓国映画に馴染み深い人という人はどれほどいるのだろう。

正直僕は色々な映画を観るまで、韓国の映画には興味すら抱いていなかった……

本当韓国の作品を観るようになったのも最近です。

 

でもこの作品は凄い、なんといっても見応えありすぎる!!!

まだ韓国の映画を観たことのないという人に是非お勧めしたい。

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概要

今年日本でも公開され、注目を集めた『哭声/コクソン』ナ・ホンジン監督作

実際に起きた連続殺人事件をベースにした物語で、殺人犯と元刑事の追跡劇を緊張感たっぷりに描き出した犯罪スリラー。

 

元刑事ジュンホが経営する風俗店から女たちが相次いで失踪を遂げたことを皮切りに、ジュンホは失踪した女たちを探し始める。ジュンホは犯人として青年のヨンミンをとらえるものの、彼はまた連続殺人犯容疑者としての疑いもかけられたのち、結局証拠不十分として釈放されるのだが…

みどころ

まず役者たちが良い味出しているんだよ…

殺人犯容疑にかけられるヨンミンは『お嬢さん』ハ・ジョンウ

彼良いね、とっても好きです。

主演のキム・ユンソクもなんか渋いけど少し間が抜けているというか、感じのいいオジサン。

ちなみに同監督作『哀しき獣』でもハ・ジョンウとキム・ユンソクが出ているよ!

 

内容について言及すると… 完成度がものすごく高いんです

 

緊張感がそこらじゅうに漂っていて、主人公の刑事が殺人容疑の青年を追い続けるシーンなんかまさに肉迫するようで、震えました。ここまですごいのかと。

二人が掴み合って殴り合うシーンなんかも本当に目が離せない。

推進力がすごくて、どんどん物語に引き込まれていきます。

韓国作品独特の気味の悪さ、退廃的な雰囲気が好きですねーーー!たまらん!!

 

個人的になんだけど、最近観た邦画の『ミュージアム』とかも同様のサスペンスなんだけどここまで差があるのかと思ってしまったよ…

 

とにかく、クセが強そうで韓国映画は…という食わず嫌いな人、もったいないです。

そんなひとにこそお勧めなので、是非観てほしいなぁ。

 

潜水服は蝶の夢を見る

 

もしも身体の自由を失ったら、どうなるんだろうかーーー

映像美が織りなすのは、胸に秘めた蝶のように自由で切ない言葉。

 

さて 『潜水服は蝶の夢を見る』です。

タイトルが好きなんだよね。文学的で。

というか、フランスのとある雑誌の編集長が手掛けた文学作品にまつわる実話を映画化したもので、原作通りのタイトルです。

すごく叙述的でフランス映画らしい。

 

ゆっくりと流れる時間がただ流れるだけじゃなくて身に染みるような実感を伴う。

上のチェイサーとは対照的な作風で、昼下がりの午後ゆっくりと観てほしい作品です。

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概要

ELLE誌の編集長として順調な人生を送っていたジャン=ドミニク・ボビーは、ある日脳梗塞によって倒れ、命は取り留めたものの、右目瞼以外の体の自由を失ってしまう。

本作は、彼が言語療法士の協力によって、右目瞼のみで綴った『潜水服は蝶の夢を見るができるまでの実話をベースに、彼の顛末を描く。

 

見どころ

というか、右瞼のみで本を書くって凄くないですか?

 

20万回もの瞬きで自分の半生を綴ったそうです。

どうに文字を綴ったかというと、まあネタバレにはならないと思いますので書いてしまいます。

 

それは、“フランス語における最も使われる頻度の高いアルファべ” を順にならべ、それを言語療法士が上から読んでいき、主人公のジャン=ドミニクは選びたいアルファべのところで瞬きをする、というかなりシンプルなコミュニケーション方法。

 

これであなた、本書けますか。

俺は無理だ。想像力も、何を綴っていいのかもわからない。

手で何かを書き留めるわけにもいかないから、全部頭の中で組み立てなくてはいけない。

たゆみない努力と時間を要しただろう。

それは作者だけでなく、受け取り手の言語療法士も同じだ。

それでも何かを伝えたいという思いで綴られた原作も、ぜひ手に取ってみたくなる。

 

また、そんな作品を巡ったく本作の本当の魅力はというとね。

とっても叙情的で、美しいんだよなぁ。

主人公はもう植物人間的な扱いで、身体を動かすこともできない。

僕は、生きるとは何だろうか、これで生きていると言えるのだろうかーーーそんな重たいテーマを押し付けられることなく、それでも何かを綴ることの大切さというか、素晴らしさを覚えた。

 

肉体に閉じ込められてしまう “ロックト・イン・シンドローム” という症状に陥った主人公は、不自由な状態を “潜水服” に例え、それでも自由に飛び回る “蝶” を夢見るのだ。

それが切なく、そして力強さを感じさせる。

 

主人公の周りの人々もとても愛に溢れた人たちだ。

なんだか胸の奥にジーンと響いてしまう作品。

 

さて、今回はこの2作品を紹介してみました。

参考になればいいなぁと思います。

是非映画のある週末をお過ごしください。

 

また興味の無い方は飛ばしていただいて結構なのですが、

アホほど紹介されている話題のアマゾンプライムで上記の作品を観ることができます、

1か月間の無料体験もやっているようなので、検討してみてはいかがでしょうか。

とてもお得ですよ。

 

 

それじゃあまた来週!

読んでくれてどうもありがとうございました。

 

 

(C) 2008 BIG HOUSE / VANTAGE HOLDINGS. All Rights Reserved.

(C)Pathe Renn Production-France 3

「なぜ日本人は~なのか」「日本人は~」という言葉に弱い日本人へ。

エッセイ-哲学のこと。

「日本人は~だ」という言説が嫌いだ。

具体的に言うと、その中でも論拠・説得力を欠いた一般化が不快だ。

 

同様に「大学生はみんな遊びほうけているだけ」「男はみんなバカだ」「なぜ女はみんなバカなのか」という安易な集団の特徴づけが嫌いだ。

もっと言えば、某掲示板などで頻繁に交わされる「韓国人は~だ」みたいな議論のための議論も大嫌いだ。

 

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ある集団の特徴を一般化して語ることは、学問上でもそういった帰納法的なプロセスを用いて証明することにおいていえば全くありふれたものだろう。

だからそれ自体を否定するものではないし、嫌いだというのはあくまでも僕個人の思いだ。考えというか、感情的な部分によるものが大きい。

 

しかしながら、やはり「日本人は~だから」という、さもなにもかも悟った様な言葉には違和感を抱いてしまうし、あまり心地いいものではない。

 

違和感の正体はおそらくその特徴づけの手順だったり、その言葉を使う人間の環境、経歴、人間性からの判断に起因する。それが間違っているか正しいかは問わない。

だから当然のことだけど「日本人は~だ」と言われて納得するものもある。

 

ただ一つ言えるとすれば、積極的に社会活動に関わってはいるものの、僕が学生という社会経験を欠く身分のため、そのような言説に納得ができないというところは大いにありそうだが。

 

冒頭で銘打ったようなすべての「日本人は~だ」という定型文が嫌いだということではないということを、再度断っておきたい。

相対化され論拠に富んだ主張により問題提起されたものはむしろ学ばなければならない。

 

よく指摘される日本人の特徴をみてみる。

1、(留学先で)日本人は日本人としかつるまない

2、日本の大学生は勉強をしない

3、日本人は他人の目線をよく気にする

4、日本人は礼儀正しい

5、日本人は少数派を許さない(同調圧力帰属意識が強い)

6、日本人は出る杭を徹底的に打つ

7、日本人は働きすぎだ

8、日本の企業はクソだ

 

この中では指摘されたらドキッとするものも多いに含まれている。

 

ただ現代の日本人が全員このような特徴を有するかといえば、当然そんなこともないだろう(そんなことはみんなわかっているはずだろうが)。

 

確かに、3,5,6などはほとんど言っていることは同じで、またそれを根拠付ける例を挙げることは可能だ。

例えば、島国であること、移民の数、村社会、等々言えばそれを説得力を持たせ語ることができる。

経験に基づいた話でもなるほど、そういうこともあるのか、と首を振ってしまうかもしれない。

だが今の時代、全部が全部そうだと言う事は決して簡単なことではない。

 

社会に出れば、上記にあるような同調意識にさいなまれ、そのような経験を嫌というほど味わうのかもしれない。

けれども、根本的な構造はまだまだ手が加えられていないにせよ、日本の企業も変わってきているのでは?

日本の会社じゃなくて、あなたの会社がそうなのではないでしょうか。

(申し訳ないが企業や社会構造についてはほとんど知識がないのと同然なのでご容赦頂きたい、むしろ色々教えてほしい。恐ろしいことにこれを書いているのは学生なのです。)

 

どうしても、あなたは日本民族を定義できるだけの経験を積んだのか、また世界を見てきたのか、という思いが先行してしまう。

世界を見た人が語る言葉

僕は権威主義者ではない。

だが、やっぱり世界を見た人はそれを相対化して語るだけの多角的な価値判断をすることができる。

 

例えば1の「日本人は留学先でも日本人としかつるまない」という言葉は、実際に僕が渡米して3年弱経つ友人に言われたものだ。

そして2の「日本の大学生は勉強をしない」という言葉は、海外出張など頻繁に行う大学教授から言われたものだ。

 

もちろん、それをそのまま鵜呑みにすることは危険である。

しかし、自分が受けた不快な経験を日本という民族への当てつけるような主張よりは、明らかに説得力に富む

正しいかどうかというより、実直に受け止めることができるし、これじゃあきまへんな、と思いますね。

 

だけど留学先でも頑張っている人はいるんだよ!!

だから「日本人の留学生は日本人としかつるまずに、全員親の金で遊びに行っている」なんて思わないでほしい、ってことなんだ。

 

まとめ

例えば映画『アメリカンビューティー』を観て、へぇ、アメリカ人てみんなこんなんなんだね、と言えばほとんどのアメリカ人は顔をしかめるのでは?

映画『ティファニーで朝食を』を観たアメリカ人に「日本人って、みんな眼鏡で出っ歯なの?」と言われたら、笑って否定するものの、そんなわけねえだろ!と心の中で唱えるのでは?

 

アメリカが、映画『BIG』に出てくる自由奔放なおもちゃ会社のような企業であふれているんだと思ったら、それはちょっと違うと思う。

 

一般化はとても危険なことである。

女子大に通う女の子に「やっぱりみんな慶應生に持ち帰られてるの?」「パパとかいるんでしょ?」なんて言ったらビンタの一つでもくらいそうだ。

同様にクラブ通いやダンスサークルの女の子に「誰とでも寝るんだろ?」なんて言ってはいけないし、もちろん実際問題そんなことは決してない。知らないけど。

 

確かに傾向や特徴というものは、経験や数字から掴むことはできる。

しかしそれが全てではない。

 

論拠を欠き押しつけがましくも、『すべての日本人』という、物入れの様な狭く暗い枠組みに身勝手に押し込まれるのには、正直腹が立つ。

それこそ同調意識の賜物なのではないか。

 

「おまえそれ、『俺は他の人間とは違うんだから一緒にすんな!』って言いたいだけだろ?」

 

とか言われたら、正直何も言えません。

終わり。

拙文ですがありがとうございました。