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前田有一の『それが映画をダメにする』を読んだ感想。

 

前田有一という映画批評家をご存知だろうか。

 

もし少しでも映画に関心があれば、彼の映画批評サイト「★前田有一の超映画批評★」をご覧になったことがあるかもしれない。

 

僕は彼の批評が好きで、よく読んでいる。

映画の知識がそれほどない僕でも、色々な映画の裏話が飛び出し、それでいてフランクでユーモアに富む語り口調だから楽しく読める。

 

彼の良いところは、作品を高評価することは少ないながらも、悪かった作品をズタボロになるまで叩いたりはせず悪かった点、ひいては良かった点に言及するところにある。

そんな彼からは、専門家のような凝り固まったものではなく、ただの映画愛がすごく伝わってくるのだ。

 

彼が先日『それが映画をダメにする』という本を発売し、僕はそれを読んだのだがなかなか良かったので紹介したい。

 

『それが映画をダメにする』

 

本書が綴る幾つかの疑問への答えはこれ。

 

・なぜ「君の名は。」はあんなにヒットしたのか

・なぜ米国のセレブはトランプ大統領誕生を見誤ったのか

・なぜ日本の漫画実写化映画はダメなのか ・なぜアカデミー作品賞はパッとしない映画が多いのか

・なぜ日本の映画会社は保守系映画づくりに転向したのか

・なぜ3D映画は思ったより大したことがないのか

・中国マネーは本当にハリウッドに影響を与えているのか

・なぜ予告編でネタバレシーンを使うのか ・なぜ日本の女優は脱がないのか

・なぜ「進撃の巨人」の監督は私にマジギレしたのか

 

結構面白い。

僕も漫画原作映画については幾つか言及しているのでこちらも是非読んでみてほしい。

 

works-movie.hatenablog.com

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紹介されている主な映画


のぼうの城』/『パシフィック・リム』『アナと雪の女王』 『STAND BY ME ドラえもん
ジョーカー・ゲーム』『進撃の巨人 』『ニシノユキヒコの恋と冒険』
マッドマックス 怒りのデス・ロード』『スター・ウォーズ/ フォースの覚醒』『君の名は。』 ...他

 

内容

 

本作は50本近くの映画を取り上げ、それぞれ良かった作品と悪かった作品に分けている。

半分以上が悪かった作品に仕分けされているのだが、具体的に悪かった点、また良かった点を挙げている。

それは作品内容のみに関わらず、映画の売り出し方や映画業界の内情にまで切り込みを入れるから、観てない作品がほとんどだったけれど、ダメな映画の所以というものを一般論的におもしろおかしく語られていて面白い。

だから、目次だけみてもわからないけど、作品評ではなく砕けたコラムのようなものとして読むことができる。

 

みどころ

 

上述の通り、僕もそれほど映画に精通しているわけではないし、本作で取り上げられている作品は観たこともない奴が多かった。

それでも、めっちゃ面白かったですよ。やっぱり彼の切り口は面白い。

 

タイトル通り、何が映画をダメにしているのか、またダメな作品とはどんなものなのか、そんな疑問に答えてくれるのが本著。

ただの映画評ではないので、映画にそれほど知識がないから楽しめない、なんてことはまるでないので、是非興味がある人は読んでみてほしいな。

 

そして彼は「消費者の立場に100%立つ」といい、批評エンターテイメントと銘打って自身の論理を展開する。

とかいいつつ、やっぱり売れているだけじゃなくて、しっかり映画における作家性も重視しているんだよね。

そこがとても面白いところ。

 

逆にめちゃめちゃ映画マニアみたいな人にも、新鮮みのある語り口になると思うので、気軽に手に取ってみてはいかがだろうか。

 

 

 

それが映画をダメにする

それが映画をダメにする